タケダの生薬・漢方薬事典

生薬図鑑

タケダの漢方製剤や生薬製剤で使用している生薬一覧です。生薬の基源や効能、それぞれの生薬にまつわるこぼれ話などを詳しくご案内しています。個々の生薬について知りたいときなどにぜひご活用ください。

生薬界のオールラウンドプレーヤー

甘草カンゾウ

マメ科カンゾウ属植物の根や根茎を乾燥したもの。

植物の特徴

高さ40~70cmの多年草です。長さ1~2mにもなる大きな根茎があり、四方に地下茎を伸ばします。6~7月頃に花をつけ、7~8月頃に実を熟します。
生薬としては、マメ科カンゾウ属植物の根や根茎を乾燥したものを用います。

生育地

ウラルカンゾウ:中国東北部から西北部および華北、シベリアの乾燥地に分布しています。
スペインカンゾウ:中国の新彊から中央アジア~トルコまでの乾燥地に分布しています。
現在用いられている原料は、中国、オーストラリアから輸入されたものが主です。

この生薬の特性

五気(薬性)

へい

五味

かん

緊張を緩和させる作用をもちます。
成分であるグリチルリチン酸およびその加水分解物には、ショ糖の150倍の甘さがあります。

効能

諸々の急迫症状を緩和し、鎮痛、鎮痙(ちんけい)、解毒、鎮咳(ちんがい)などに効果があります。

こんな症状に

A

筋肉の急激な緊縮によって起こる

  • 咽喉痛

B

筋肉の急激な緊縮によって起こる

  • 胃痙攣
  • 胃潰瘍
  • 胃痛
  • 十二指腸潰瘍

全身

筋肉の急激な緊縮によって起こる

  • 疼痛

※注意事項 : 過剰摂取により、高血圧症、低カリウム血症、むくみ等の偽アルドステロン症があらわれることがあります。カンゾウは、多くの漢方に含まれているほか、タバコや菓子、醤油などの矯味料や甘味料としても多量に用いられているため、過剰摂取に注意が必要です。

成分組成

主成分はトリテルペノイド系サポニンのグリチルリチン。その他成分として、リクイリチンやイソフラボン系のリコリコンなどが含まれています。

この生薬が含まれている漢方処方

  • 甘草湯(あまぞうとう)
  • 四君子湯(しくんしとう)
  • 連珠飲(れんじゅいん)
  • 大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)
  • 二陳湯(にちんとう)
  • 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
  • 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
  • 調胃承気湯(ちょういじょうきとう)
  • 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
  • 小柴胡湯(しょうさいことう)
  • 炙甘草湯(しゃかんぞうとう)
  • 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
  • 平胃散(へいいさん)
  • 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
  • 釣藤散(ちょうとうさん)
  • 安中散(あんちゅうさん)
  • 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

など

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