ビタミンCを多く含む食べ物とは?その働きや摂取量の目安・効率的な摂り方を紹介

ビタミンCを多く含む食べ物とは?その働きや摂取量の目安・効率的な摂り方を紹介

「ビタミンCを多く含む食べ物」と聞いて、どんな食べ物を思い浮かべますか?

皮膚や腱、軟骨などを構成するコラーゲンをつくるために、欠かせない栄養素であるビタミンCは、主に葉物野菜や果物、じゃがいも、さつまいもをはじめとするいも類などに多く含まれています。私たちにとってなくてはならない栄養素であるものの、ヒトはビタミンCを体内で合成することができないため、厚生労働省によると、15歳以上で一日あたり100mgの摂取が推奨されています。

ビタミンCを効果的に補給するには、どのようにすると良いのでしょうか。本記事では、ビタミンCの働きや多く含む食べ物、効率的な摂取方法をご紹介します。
石神 昭人 先生

監修

石神 昭人 先生 (東京都健康長寿医療センター研究所 副所長、日本基礎老化学会 理事長、日本ビタミン学会 理事)

ビタミンCの働きと役割

ビタミンCは水溶性ビタミンの一種で、化学名はアスコルビン酸といい、美容や健康面の効果が期待できる栄養素として知られています。ここでは、私たちにとってなくてはならないビタミンCの主な働きや役割を、大きく二つに分けてご紹介します。

① コラーゲンの生成に関与し、肌や関節、血管の弾力性を保つ

ビタミンCは、コラーゲン、L-カルニチンおよび特定の神経伝達物質の生成に関与しています。特にコラーゲンの生成において、ビタミンCは欠かすことのできない存在です。

コラーゲンは、皮膚や腱、軟骨などを構成するタンパク質の一種です。それらの弾力性を保つのに必要な成分です。ビタミンCによってコラーゲンの生成が促され、肌や関節、血管の弾力を保つ効果が期待できます。

逆に不足すると、それらの体組織がもろくなり、肌あれや出血などを引き起こすことがあるため、要注意です。

②抗酸化作用を持ち、体の健康を維持する

ビタミンCは、抗酸化作用を持つことでも有名です。

抗酸化作用とは、体内で活性酸素(呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部が、通常よりも活性化された状態になったもの)の過剰な生成を抑えたり、活性酸素を取り除く働きのことをいいます。

活性酸素は、過剰になると細胞を傷つけ、例えば、乾燥、ニキビ(ざ瘡)、しみ・しわの形成といった肌トラブルや、がん、心血管疾患、生活習慣病といったさまざまな病気の要因となります。

ビタミンCには、抗酸化作用でこうした肌や体のトラブルを抑えたり、改善したりする働きがあり、体の健康維持に貢献しています。

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ビタミンCを多く含む食べ物

ビタミンCを多く含む食べ物として代表的なものが野菜や果物です。その他、さまざまな食べ物に含まれますが、ここでは野菜・果物を中心に、ビタミンCを多く含む食べ物を表にまとめました。

ビタミンCを多く含む野菜

ビタミンCを多く含む野菜としては、ピーマン、芽キャベツ、ブロッコリー、じゃがいもなどが挙げられます。

■野菜に含まれるビタミンC量(可食部100gあたり)

食品名

加工状態など

ビタミンC(mg)

赤ピーマン 

油いため

180

芽キャベツ

160

ブロッコリー

生・電子レンジ調理

140

フライドポテト 市販冷凍食品

揚げ

40

さつまいも 皮なし

生・蒸し

29

じゃがいも 皮つき

28

乾しいたけ

-

20

ビタミンCを多く含む果物

果物のなかでは、レモン、みかんなどの柑橘類、キウイフルーツといった酸味の強い果物がビタミンCを多く含んでいます。

■果物に含まれるビタミンC量(可食部100gあたり)

食品名

加工状態など

ビタミンC(mg)

グァバ

220

キウイフルーツ 黄肉種

140

レモン 全果

100

キウイフルーツ 緑肉種

71

かき 甘がき

70

ドライマンゴー

-

69

いちご

62

ネーブルオレンジ

60

パパイア

50

きんかん 全果

49

ハスカップ

44

うんしゅうみかん

35

パインアップル

35

その他のビタミンCを多く含む食べ物・飲み物

ビタミンCはその他、辛子明太子、ハムなどの加工食品にも含まれています。しかし、加工の際に酸化防止剤として添加されている場合がほとんどです。加工されているものよりも野菜や果物類から摂取するようにすると良いでしょう。

また、市販のジュースなどにもビタミンCが含まれていることがありますが、ジュースからビタミンCを摂取する場合、果糖が多く含まれており、摂りすぎると肥満の原因になることもあるため、摂取する際には摂りすぎにも注意しましょう。

ビタミンCの推奨摂取量とは?

ビタミンCの摂取量には、性別による違いはありません。男女ともに12歳以上は一日あたり100mgを摂取することが推奨されています。

妊娠中、授乳中の女性には付加量が設定されており、妊娠中は一日あたり10mg、授乳中は45mg多く摂取することが推奨されています。

食品から摂取することが推奨されていますが、栄養補助食品などを通じて摂取することも可能です。

なお、タバコを吸う習慣のある人は非喫煙者に比べてビタミンCの必要性が高く、多く摂取する必要があります。タバコを吸う習慣のある人は非喫煙者よりもビタミンCを多く消費してしまうため、ビタミンCが不足するリスクが高まります。この機会に、禁煙をはじめましょう。

ビタミンCが不足するとどうなる?

ビタミンCが不足すると、まずは体内に活性酸素が増え、健康への悪影響が現れます。増えすぎた活性酸素が細胞を傷つけて、肌トラブルやさまざまな病気を引き起こす他、疲れやすさ、筋力低下、体重の減少、筋肉や関節の痛みなどを感じることもあります。

さらにその状態が続くと、ビタミンCが不足してコラーゲンが生成できなくなる影響で血管がもろくなり、ひどい場合には「壊血病」という、歯ぐきからの出血や歯のトラブル、毛髪や皮膚の乾燥、貧血などの症状が現れる病気を発症することも。このようにビタミンCが不足がすると、体の健康が損なわれてしまいます。それを防ぐには、ビタミンCを適切に摂取することが必要です。

ビタミンCは通常の食生活をしていれば、今の日本で欠乏状態になることは、ほぼないと考えられています。ただし、2019年の国民健康・栄養調査では、通常の食品から男性で一日あたり平均91mg、女性で平均96mg摂取しているという結果が出ており、一日の推奨量100mgに近い量が摂取できているものの、不足している人もいるような状況です。

野菜や果物をほとんど食べずに極端な食生活を長期間続けている場合、ビタミンCが不足してしまう可能性があります。

極端な食生活が発生する例として、災害時が挙げられます。栄養バランスの偏り、特にビタミン不足は、災害時に起こりうる健康被害の代表例です。

ビタミンCは身体的・精神的ストレスがかかったときに多く消費されるとされており、災害時にはかかるストレスが大きいことから、普段以上に多く消費されてしまいます。災害直後に配給される食事は主食や汁物がメインで、ビタミンCが摂れる副菜は状況が落ち着いてからでないと配給が難しいようです。

普段からビタミンCを摂取する習慣をつけておくと同時に、ビタミンCが摂れる食材を備蓄しておく必要もあるでしょう。

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ビタミンCを摂りすぎるとどうなる?

ビタミンCは、健康な人であれば、摂りすぎた分は腎臓から尿と一緒に排泄されるため、過剰摂取が問題になることは基本的にありません。

ただし、サプリメントなどで大量に摂取している場合は、下痢、腹痛などの症状が生じることがあります。また、食事以外では、サプリメントの他にも、医薬品などから摂取する方法がありますが、決められた用法・用量を守って摂取することで効能が見込めるため、大量に摂取することによって疾患が治ったり、健康が増進するわけではありません。サプリメントの場合は目安の摂取量、医薬部外品の場合は用法・用量を守って活用するようにしましょう。

一日の推奨摂取量100mgを目安に、かかりつけ医と相談しながら摂取すると良いでしょう。

ビタミンCを効率的に摂取するためのポイント

ここでは、ビタミンCをより効率的に摂取するためのポイントをご紹介します。

毎日摂取する

ビタミンCは、毎日意識して摂取することが重要です。ヒトはビタミンCを合成する酵素を持たないため、体内でビタミンCをつくることができません。また、体内で過剰になったビタミンCは尿と一緒に排出されるので、体内にためておくこともできません。したがって毎日、食事などからビタミンCを摂取する必要があります。

日本人は現状、一日あたりのビタミンC推奨量をほぼ摂取できていますが、摂取したビタミンCはコラーゲンの生成や過剰な活性酸素の除去などに日々使われているので、バランスの良い食生活を意識しつつ、ビタミンCを多く含む野菜や果物を摂取することを心がけましょう。

調理方法を工夫する

ビタミンCには、光や熱、酸化に対し不安定という特徴があり、調理法によって摂取できる量が変化します。したがって、調理方法を工夫すれば、より効率良く摂取することが可能です。

ビタミンCの摂取量をなるべく多くしたいとき、水に溶けやすいため、野菜を加熱する際にはゆでるのではなく電子レンジを利用する、ゆでる場合はスープにして汁ごと食べるなどの方法がおすすめです。また、ビタミンCは熱に弱いため、長時間加熱しすぎないといった工夫をしてみてください。

なお、じゃがいもやさつまいもなどのいも類は、ビタミンCがでんぷんにより保護されているため、調理後にもほとんど分解されずに残ることが知られています。揚げるなどの高温調理も可能です。災害時にも比較的入手しやすいため、覚えておくと良いでしょう。

他の栄養素と一緒に摂る

ビタミンCと一緒に摂ると吸収率が上がるなどの作用をもたらす、相性の良い栄養素もいくつかあります。

例えば鉄。鉄には、肉や魚に含まれるヘム鉄と、野菜などに含まれる非ヘム鉄があります。非ヘム鉄は、ヘム鉄よりも吸収率が良くないといわれていますが、ビタミンCと一緒に摂ると吸収しやすくなります。

<鉄を多く含む食材>

  • ヘム鉄:レバー(特に豚肉)、カツオ、マグロなど
  • 非ヘム鉄:豆乳、納豆、小松菜など

ビタミン類であれば、ビタミンCと同じ抗酸化ビタミンのビタミンEは相性が良く、一緒に摂取するのに適しているといえます。

<ビタミンEを多く含む食材>

  • アーモンド、ひまわり油、うなぎなど

その他、疲労がたまっている場合や肌トラブルが気になる場合には、ビタミンB群を一緒に摂取するのもおすすめです。糖質をエネルギーに変換するビタミンB1や、脂質をエネルギーに変換したり肌の正常なターンオーバーを促すビタミンB2などと一緒に摂取して、疲労の軽減や肌トラブルの改善を目指しましょう。

<ビタミンB群を多く含む食材>

  • ビタミンB1:ヒレ肉(特に豚肉)、うなぎ、ごまなど
  • ビタミンB2:レバー(特に豚・牛肉)、焼きのり、アーモンドなど
  • ビタミンB6:カツオ、ごま、ししとうなど
  • ビタミンB12:しじみ、のり、レバー(特に牛肉)など

※表皮の肌の細胞が形を変えながら表面に押し出されて、新しい細胞へと生まれかわること

医薬品などを活用する

医薬品などを活用して足りない量を補うのも一つの方法です。

食べ物に含まれるビタミンCの量は、収穫時期や調理方法などによって大きく変化します。ビタミンCは、野菜や果物といった旬がある食品に多く含まれているため、なおさら影響が大きいかもしれません。

そこで医薬品などで不足分を補いながら、一定量のビタミンCを摂取するのも有効です。その際は用法・用量を守り、過剰摂取にならないよう気をつけつつ、上手に活用していきましょう。

ビタミンCが豊富な食べ物を意識して効率的に摂取しよう

ビタミンCは肌や関節、血管の弾力性を保ったり、活性酸素が過剰になるのを防いだりする、重要な栄養素です。ヒトはビタミンCを体内でつくることができないため、今回紹介した野菜、果物などのビタミンCを多く含む食べ物を参考に、バランスの良い食生活を心がけつつビタミンCを摂取してみてください。

食事からの安定した摂取が難しい場合、医薬品などの活用も検討して、ビタミンCを効率良く、適切に摂取できるよう意識していきましょう。

参考文献