頭のかゆみ

毛穴が密集する頭皮からは、皮脂が盛んに分泌されます。皮脂は頭皮を守る役割を果たしていますが、多すぎると細菌が繁殖してかゆみを引き起こします。また、逆に皮脂が少なすぎても頭皮の防御機能が低下してかゆみが起こります。

日常生活から考えられる原因

1脂性の頭皮や汚れの付着

頭皮は体の中でも皮脂量が多く、細菌が繁殖しやすい環境にあります。脂性で皮脂の分泌が多い人の場合や、洗髪が不十分な場合は頭皮に汚れや皮脂が溜まって細菌が繁殖し、かゆみを感じるようになります。また、汚れや皮脂が蓄積すると、毛根が詰まって炎症を起こし、かゆみが起こることがあります。

2カサついた乾燥頭皮

本来は頭皮を守るはずの皮脂の分泌が足りないと、肌と同じように頭皮もカサカサと乾燥します。すると、頭皮の防御機能が低下して、シャンプーや整髪料などが表皮の奥に入り込み、それが刺激となってかゆみが起こることがあります。

3シャンプーや整髪料、汗の刺激

自分の肌に合わないシャンプーや整髪料を使うことで肌が炎症を起こし、かゆみが出ることがあります。また、シャンプーのすすぎ残しもかゆみの原因の一つになります。さらに、頭が蒸れて汗をかき、それが刺激となってかゆみが出ることもあります。これは外出時に帽子をかぶる赤ちゃんに多くみられます。

4頭のかゆみの原因となる主な疾患

頭ジラミ症のように髪の毛や頭皮に虫が棲み着くと、激しいかゆみが起こります。接触性皮膚炎や脂漏性皮膚炎もかゆみを引き起こします。また、アトピー性皮膚炎のように、元々の体質が原因となってかゆみが起こることも少なくありません。その他あせもや乾癬でも頭がかゆくなります。

頭のかゆみともなう疾患

1頭ジラミ症

頭ジラミは頭皮に寄生する吸血性の昆虫です。さされるとしばらくして激しいかゆみが起こります。このときに鏡を見ながら頭を調べてみると、頭ジラミの卵がある場合が多くあります。プール、サウナ、温泉での感染の他、頭ジラミに感染している人と共有した帽子やタオル、枕などから感染します。

2接触性皮膚炎(かぶれ)

特定の物質に触れると皮膚が赤くなり、かゆくなります。一般的には体の皮膚に起こりますが、頭皮でも合わないシャンプーや整髪料、またはそれらをきちんと洗い流さなかったことが原因で起こります。シャンプーによるかぶれの場合、頭皮以外にも顔や肩、首、耳にもシャンプーが付着してかゆくなることがあります。

3アトピー性皮膚炎

ハウスダストや食べ物などの原因物質によって引き起こされるアレルギー疾患です。乳幼児期では、顔や頭皮、耳などの皮膚がジクジクして赤く腫れ、小児期以降では皮膚がカサカサに乾き、硬くなります。強いかゆみをともなうため、かくことで細菌に感染して悪化することがあります。思春期ごろに治まる人が多いのですが、成人以降も続くと慢性化することがあります。この疾患・症状に関連する情報はこちら。アトピー性皮膚炎

4脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)

皮脂の分泌異常や細菌感染などが原因で起こります。主に皮脂の分泌が盛んな頭や顔、胸、脇の下が赤くなり、粉が吹いたような状態になりますが、かゆみはそれほど強くありません。頭の場合にはカサカサになった大きなフケが頭皮に大量に発生し、頭の臭いが強くなることもあるので、洗髪不足と誤解してしまうことも少なくありません。顔の場合には、脂ぎった顔かあるいは粉を吹いたようなバサバサの赤ら顔になります。

5あせも

汗腺の出口が詰まり、汗腺の出口とその周辺に汗が溜まって起きる炎症です。多くは赤みを帯びた小さな発疹ができます。汗をかきやすい額や頭、わきの下、ひじや膝の裏側に多くみられます。頭皮のあせもは、帽子をかぶることで頭が蒸れる赤ちゃんによくみられます。汗をかきやすい夏はもちろん、熱すぎる暖房や厚着などによって、冬にもみられます。乳幼児に多い疾患ですが、大人にもできることがあります。この疾患・症状に関連する情報はこちら。あせも

6乾癬

皮膚の表面の角質層に炎症を起こし、境界がはっきりした赤い発疹と、発疹の表面にフケやかさぶたに似た塊が生じる疾患です。強いかゆみと、再発を繰り返すのが特徴です。発疹は頭部からでき始めることが多く、徐々にひじ、膝、腰など皮膚がこすれやすい部分に広がります。かきこわして細菌やウイルスに感染すると、膿をもったり、関節が腫れて痛んだりします。※上記疾患が心配な場合には、早めに医師の診察を受けましょう。

日常生活でできる予防法

1頭皮の汚れをしっかりと落とす

頭皮の汚れをしっかりと落とす1回のシャンプーでは髪の汚れは落とせても、頭皮の汚れが残っている場合があります。シャンプーは2回に分けて、2回目は指の腹で頭皮を優しく揉むように洗い、すすぎ残しがないように丁寧に洗い流しましょう。また、脂性や乾燥肌など、頭皮のタイプに合わせたシャンプーを選んで使用することも大切です。

2頭皮の乾燥ケアをする

頭皮が乾燥しやすいという人は、頭皮・頭髪用のツバキ油や乾燥肌のヘアケア剤などで頭皮を潤してあげるようにしましょう。このときに、生え際から頭頂部に向けて指の腹で頭皮を軽くたたいたり、円を描くようにもみほぐしてマッサージすると、頭皮の血行が促進されて効果が増します。爪を立てたり、力を入れすぎないように注意しましょう。

3赤ちゃんの頭はこまめに拭く

赤ちゃんは大人に比べて非常に発汗が活発です。外出のときに帽子をずっとかぶったままにしていると、あせもができてしまうことがよくあります。外出先では濡れタオルなどを用意しておいて、こまめに頭を拭いてあげるようにしましょう。外出から帰ってきた後や、お昼寝の後、夏場など汗をかいたときはさっとシャワーで洗い流してあげるといいでしょう。

対処法

1かいて悪化する悪循環に気をつける

かゆみとともにフケが出ているようなときは、かいてしまうとフケがさらに悪化しますので、かかないようにしましょう。かゆみを我慢するには、家であれば冷水にひたした濡れタオルなどを頭に当てると、かゆみがやわらぐのでおすすめです。フケ用のシャンプーや薬用シャンプーを使うのも一つの方法です。また、炎症が起きているときにかきむしってしまうと、そこに細菌が感染して化膿することがありますから、注意しましょう。

2市販の薬を使う

頭皮がかゆく、かぶれているようなときは市販のかゆみ止めが効果的です。しかし、軟膏では頭皮まで届きにくいので、液材を選ぶようにしましょう。炎症を起こしているようなときは、薬で悪化することもありますので、薬剤師や登録販売者に相談するといいでしょう。

3病院で診察を受ける

頭のかゆみが長く続いたり炎症や化膿をともなうようなときや、きちんと頭皮を洗っていてもフケがでるようなときは、主治医に相談するか皮膚科で治療を受けましょう。

プチメモフケって何?どうして出るの?

フケというのは、実は頭皮のアカのようなもの。表皮の角質層が古くなって剥がれ落ちたもので、通常であれば目に見えないほど小さいのです。しかし、皮脂が頭皮に溜まることなどが原因で角質の剥がれる量が増えると、目に見える大きさになってしまいます。このように、皮脂が原因であるフケは頭皮をしっかりと洗うことで防ぐことができます。それでも治らないフケは脂漏性皮膚炎が考えられますので、皮膚科を受診しましょう。