武田薬報webホーム
特 集
シリーズ
健康食品を正しく理解するために
製造工場潜入レポート みんなに元気が届くまで!
フォトライブラリー
お役立ちツール
バックナンバー
検索
武田薬報webホーム > シリーズ > 〈後編〉健康食品を利用する場合のポイント

〈後編〉健康食品を利用する場合のポイント

〈後編〉健康食品を利用する場合のポイント

〈話し手〉 梅垣 敬三 Keizo Umegaki
(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 情報センター長)

 前編では、健康食品を正しく理解するために、基本事項として健康食品とは何か、健康食品単独で病気の予防ができるわけではなく、あくまで食品として食生活を見直す手助けをする一つの手段であること、2015年4月1日から変更になった食品の機能性表示の話題を取り上げました。
 後編では、健康食品を理解したうえで、実際に利用する際のポイントを紹介します。

健康食品の利用で気をつけたいこと

(1)食生活において摂取している栄養素と量を把握

 毎日の食生活において、まずは自分が摂取している栄養素や量を把握しましょう。そのうえで、何を、どれくらいの量を摂取すればよいかを知ることが大切です。その方法として、一つは「日本人の食事摂取基準(2015年版)」から摂取すべき栄養素量を把握する、二つめに「国民健康・栄養調査」の結果から自分の年代の平均値を参考にする、三つめに摂取した食品の栄養成分表示を合計する(パッケージの表示量や「食品成分表」を参考にする)という方法が考えられます。ここで注意したいのは、栄養摂取の根拠となる「日本人の食事摂取基準(2015年版)」にある目安量や推奨量は、ほとんどの人が不足にならない量を示したものであり、習慣的に摂取が必要となる量だということです。しかし、その量を毎日摂取する必要はなく、日々の摂取量に多少の変動があってもいいのです。2週間から1ヶ月くらいのスパンの中で1日あたりの摂取量を把握し、本当に不足しているのか、健康食品で補充する必要があるのかを判断していただきたいと思います。

(2)選択の際は表示と品質情報を確認

 健康食品を選択する際に大切なのは、製品のキャッチコピーではなく、パッケージなどに記載された表示内容を確認するということです。表示には原材料名や栄養成分などの表示があり、自分がどのくらい栄養素を摂取しているか推定することができます。また、成分に関する質問や摂取して不都合があったときのために、問い合わせ先が記載されているかも確認しましょう。製造者・販売者・輸入者などを表示することは食品表示法で決められています。
 また、品質に関する情報も大切です。健康食品では、医薬品のGMPのように、明確な基準があるわけではなく、会社によりバラつきがあります。GMPとは製造や品質の管理に関するガイドラインで、原材料の受け入れから製造、出荷までの全ての工程で製品が安全に作られ、一定の品質が保たれるように管理するためのものです。品質に関して、信頼できる会社かどうか意識しましょう。また、健康食品の客観的な選択基準の一つに、「GMP認定マーク」があるので、参考にするとよいでしょう(図1)。
 企業の責任で食品の機能性表示ができる制度が導入されたことで、今後さらなる健康食品の流通拡大が予想されます。安全性・有効性の確保がますます重要になってくるでしょう。

GMP認定マーク

図1 GMP認定マーク
健康食品の製品の品質と安全性を期待する際の客観的な選択基準になる。

(3)科学的な根拠はあるかを確認

 医薬品の承認では、患者さんを対象にした安全性・有効性の試験が実施されていますが、現在の健康食品の情報のほとんどが、試験管内での実験や動物実験に関するものです。
 また、食品の機能性表示では、表示しようとする機能性の「科学的根拠」について、最終製品を用いた臨床試験や研究レビューが必須です。特定保健用食品の表示については、消費者庁による審査が必要ですが、機能性表示食品の科学的根拠に関する評価については、国の審査はなく、企業の責任で行われています。科学的根拠がしっかりあるかを必要に応じてメーカーにも確認して選ぶとよいでしょう。

※ 研究レビュー:査読付き論文等、広く入手可能な文献を用いたシステマティック・レビューを実施し、その機能について総合的な観点から肯定的といえるかどうかの評価を行うこと。査読付き論文とは、同分野の専門家などによる評価や検証が、雑誌投稿前に行われた論文のこと。システマティック・レビュー(systematic review)とは、文献をくまなく調査し、データの偏りを限りなく除きながら、効果の有無や程度を分析する手法のこと。

健康食品の適正使用のために、おくすり手帳と一緒に活用したいツールとは?

 健康食品は、体質などによってアレルギー症状が生じることもあります。問題があれば、直ちに使用を中止します。そのとき、利用日、製品名、摂取量を体調などと一緒に記したメモがあると役立ちます。さらに、お薬手帳と合わせると、何かあったときに薬との相互作用も確認できます。「健康食品を使っているか」、「飲んでいて調子がよいか」など、意識しておくことが大切です。

健康食品利用時のメモ(例)

健康食品利用時のメモ(例)
メモをとることで健康被害を未然に防ぎ、拡大の防止につながる。

「健康食品」の成分の安全性・有効性情報を発信

 国立健康・栄養研究所では、「健康食品」の成分の安全性・有効性情報をwebサイトで発信しています(図2)。特に安全性重視のデータベースで、国内外の信頼できる情報を収載しているのが特徴です。通常、健康食品の情報の多くは動物実験に関するものですが、ここで扱っている有効性情報は、ヒトでの試験を取り上げています。また、安全性情報は、動物実験や試験管内の実験結果も併せて記載しており、無料で閲覧することができます。
 これらの情報源を活用しながら、健康食品の適正使用につなげていただきたいと思います。

「健康食品」の安全性・有効性情報
URL:https://hfnet.nih.go.jp/
※外部サイトにリンクします。

図2 国立健康・栄養研究所『「健康食品」の安全性・有効性情報』
素材情報データベースは、健康食品に利用されている素材をほぼ網羅。2015年7月30日現在、約795件もの情報が掲載されている。

この続きの記事は会員限定です。

武田薬報Web登録で続きをお読みいただけます。
会員登録している方はログインしてください。

【関連記事】

健康食品についておさらいしたい方へ

シリーズ 健康食品を正しく理解するために〈前編〉

栄養に関する情報も知りたい方へ(会員限定)

<バックナンバー477号>
日本人の食事摂取基準2015年版改定のポイントと栄養摂取のup to date

【関連サイト】

「国民健康・栄養調査」

http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/gaiyo/k-eisei.html
※外部サイトにリンクします。

事例1) 病院でもサプリメントは販売されている!

受診中の眼科で買っているサプリメントと同じものが欲しいと言われた。

過剰摂取の恐れや、摂取に適量があることを伝え、該当商品を販売。

日本眼科学会「加齢黄斑変性*1の治療指針」*2では、ビタミンC、ビタミンE、βカロチン、亜鉛などを含んだサプリメント*3をのむと加齢黄斑変性の発症が少なくなる報告とともに、発症した人の進行抑制を目的にサプリメントの内服が推奨されているため、眼科でもサプリメントを販売しています。
そのため、忙しくて受診ができないなどの理由で同じ商品を求めたり、別のサプリメントを購入するにあたり相互作用の質問も受けることがあります。
緑黄色野菜などを積極的に摂取するよう伝えるとともに、ビタミンCやEの配合された医薬品もお勧めできます。

*1加齢黄班変性とは
物を見るときに重要な働きをする「黄班」という組織が、加齢とともに傷害を受けて変化し、物がゆがんで見えたり視力が低下する病気のこと。
*2日眼会誌116:1150-1155,2012
*3現在は、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、ルテイン、ゼアキサンチンが勧められている。

URL:http://www.nichigan.or.jp/member/guideline/aging_macular_degeneration.jsp
※外部サイトにリンクします。

事例2) 飴で下痢?

下痢止めを求めて来店。不調の原因に心当たりがないか確認しても特にないとのこと。

不調が続くようであれば受診するよう添えて、整腸剤を勧める。

ノンシュガーの飴を一度に食べ過ぎていたことが発覚。

糖アルコール(エリスリトール、キシリトールなど)は、一度に過量に摂取すると下痢を引き起こします。このような糖アルコールだけでなく、最近では機能性表示が認められているノンアルコールビール商品には、難消化性デキストリンなどを含んだものもあり、大量に摂取すると下痢を起こしやすい人もいます。ノンアルコールだからといって飲み過ぎは禁物です。機能性表示食品には、使用する量や下痢についての注意が記載されています。食品の表示も、きちんと読む習慣が大切です。

【関連記事】

健康食品についておさらいしたい方へ

シリーズ 健康食品を正しく理解するために〈前編〉

栄養に関する情報も知りたい方へ(会員限定)

<バックナンバー477号>
日本人の食事摂取基準2015年版改定のポイントと栄養摂取のup to date

【関連サイト】

「国民健康・栄養調査」

http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/gaiyo/k-eisei.html
※外部サイトにリンクします。

武田薬報webホーム特集シリーズフォトライブラリーお役立ちツールバックナンバー
このページの先頭へ
Copyright © Takeda Pharmaceutical Company Limited. All rights reserved.