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ホソバムラサキバレンギク

キク科(生薬名:エキナケア根) Echinacea angustifolia DC.(Asteraceae)

ホソバムラサキバレンギク
ホソバムラサキバレンギク

 北米のミネソタ、ネブラスカおよびテキサス州に分布する多年草で、草原のやや乾いた土壌に生える。草丈60~100cmで、茎は細くて直立する。根は円筒状に肥大してやや 螺旋ラセン状となる。披針形ヒシンケイの葉は両面に毛があり、互生する。6~9月頃、茎頂に管状花と薄紫色の舌状花からなる頭花をつける。和名は、花の形が「火消しマトイ馬廉バレン」に似ていて、紫色の花をつけることによる。属名は、ギリシャ語で「ウニ」または「ハリネズミ」を意味する。
 乾燥した根は「エキナケア根」と呼ばれ、ジフテリアなどの感染症に対する抵抗力の増強作用や血液中の不純物を排出させる浄血作用などがあり、腫れ物、咽喉炎、扁桃腺炎、膿瘍などに用いられる。根にイヌリン(inulin(C6H10O5)n)、ベタイン(betaine)、脂肪酸などを含むが、有効成分や作用性などは不明な点が多い。多糖類がマクロファージなどの免疫担当細胞の食機能を亢進して、免疫応答物質の産生を高めることが報告されている。またリステリア菌などによる全身性感染症を防止する効果や、インフルエンザ、ヘルペスなどへの抗ウイルス作用も知られている。
 北米インディアンは本種の根をかみ砕いた液汁で、歯痛、喉の痛み、風邪などを治療していた。19世紀後半に、ドイツ人医師メイヤー(H.C.F.Meyer)がこの植物で「血液浄化剤」を考案し、リウマチ、神経痛、丹毒、腫瘍、腺病をはじめ、ガラガラヘビの毒にも有効と宣伝したことから、その薬効が注目されて薬理学的研究が進められた。その結果、免疫系を亢進して風邪やエイズなどの感染症に、また皮膚炎の治療や予防にも有効であることが明らかにされた。今日、ドイツやアメリカでは「風邪予防や免疫力向上に有効なハーブ」として高い知名度を確立している。ただし、過剰摂取すると、短期の発熱、吐き気、下痢を起こすこともあるので、アレルギー体質の方や妊婦は使用を避けるべきである。
 近縁種のムラサキバレンギク(E. purpurea Moench)は、明るい赤紫色の花が美しいので、切り花としての利用が多い。長い刺状の鱗片は硬くて光沢があり、外観も触感もプラスチックで作られたように感じられる花である。極めて強健な植物で、花期が長く初夏から晩秋に及ぶことが魅力となっている。ただし、加湿になると根腐れしやすい。

解説:渡辺 斉(京都薬用植物園 園長) 撮影場所:京都薬用植物園

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