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女性らしいつややかな髪のために

女性らしいつややかな髪のために

 髪の毛は太さや髪質など見た目を気にしがちですが、健康状態の鏡ともいえます。
 身体を巡る血液は重要な臓器へ優先的に栄養を運ぶため、何か異常があると髪の毛まで栄養が行き渡りにくくなり、健康な髪の毛を作ることができなくなってしまいます。
 そこで、健康状態がどのように髪の毛にあらわれるのか、加齢に伴う変化やヘアケアの方法などをご紹介します。

誰もが気になる薄毛や脱毛のメカニズム
エイジング世代のための育毛ケア
誰もが気になる薄毛や脱毛のメカニズム

〈話し手〉 天羽 康之 Yasuyuki Amoh(北里大学医学部皮膚科学 教授)

若い頃は太くハリのある豊かな髪の毛も、年齢を重ねると細くなったり抜けたりします。
その原因として、遺伝や加齢、日常生活が影響していると考えられています。
そこで薄毛や脱毛のメカニズムについて、頭皮の専門家である天羽康之先生にお聞きしました。

髪の毛の伸びるしくみと薄毛・脱毛

 紫外線や熱から頭皮を守り、頭部を衝撃から保護したり体温を維持する役割を果たしている髪の毛は、頭皮から出ている毛幹部と頭皮の内部にある毛根部とに分けられます(図1)。髪の毛が伸びるのは、毛根部の最も深いところにある毛球の毛母細胞が毛細血管から栄養を取り込み、細胞分裂を繰り返して成長し、頭皮の外へ出ていくからです。
 伸びた髪の毛は一定期間を過ぎると自然に抜け落ちて、新しく生まれ変わります。このサイクルをヘアサイクルといいます(図2)。ヘアサイクルは、古い髪の毛が抜けて新しい髪の毛が生まれ、太く長く成長していく成長期、毛球が退化しはじめる退行期、毛球が完全に退化して髪の毛の成長が止まる休止期の3期に分けられます。髪の毛は成人1人あたり約10~15万本あり、85〜90%のほとんどが成長期、約1%は退行期、約10%は休止期にあります。正常なヘアサイクルでは、2~6年周期で毛髪が生まれ変わっていき、脱毛後3~4ヵ月後には同じ毛穴からまた発毛します。
 ところが何らかの原因により毛母細胞が障害を受けるとヘアサイクルに乱れが生じ、本来太く長く成長するはずの髪の毛が育たなかったり、生えてくるはずの髪の毛が生えてこずに薄毛になります。病気や薬の副作用、ストレス、出産などによって生じる一次的なものと、遺伝や加齢に伴い生じるものがあります。

頭皮と髪の毛の構造

図1 頭皮と髪の毛の構造

ヘアサイクル

図2 ヘアサイクル

①よく見られる脱毛症AGA(壮年性脱毛症)

 よくみられる進行性の脱毛にAGA(壮年性脱毛症)があります。AGAは男性ホルモンが関与しており、成長期が短くなるために起こります。男性の場合、症状は前頭部と頭頂部に集中し、後頭部と側頭部を残して進行します(図3-A)。20代で約10%にみられ、加齢に伴い頻度が高くなり50代以降は40数%に及びます。前頭部と頭頂部において、血液中のテストステロン(男性ホルモン)がⅡ型5α-リダクターゼという酵素の働きによりジヒドロテストステロンという強力な作用を持つホルモンに変換されることにより毛母細胞の分裂・増殖が抑えられ、成長期が数ヵ月〜1年と短縮されて硬毛は軟毛に変化し、さらに脱毛が起こるのです。脱毛が起こるのは男性ホルモンの量ではなく、感受性の高さが影響しており、遺伝的な要因が関係しています。
 AGAは女性にも見られますが、女性の場合はテストステロンが男性よりも少なく、男性よりも脱毛しにくいとされています。女性の症状は頭頂部に現れやすく、しかも広範囲に薄くなる(びまん性)傾向があります(図3-B)。発症年齢は男性よりも高く、主に40〜50代の更年期以降に増加します。これは、女性ホルモンの分泌が減少することで、男性ホルモン量が相対的に増えホルモンバランスに変化が生じるためです。この変化により、頭頂部の毛が細くなり本数が減少します。

男性の壮年性脱毛症

図3-A 男性の壮年性脱毛症

女性の壮年性脱毛症

図3-B 女性の壮年性脱毛症

図3 壮年性脱毛症にみられる男女の違い

②加齢による頭皮の乾燥、栄養不足、血行不良、日常のヘアケアなど

 髪の毛は、頭皮の状態が悪くなると抜けやすくなります。例えば、頭皮が乾燥して硬くなると、血行が悪くなり毛母細胞に栄養が行き渡らずヘアサイクルに影響を及ぼします。頭皮の状態は、加齢、栄養不足、日常のヘアケアなどによっても変わります。
 では、太く健康な髪の毛を保つにはどうしたらよいでしょうか。加齢は避けられませんが、日常のヘアケアや生活習慣を見直すことで、髪の毛の成長に影響する頭皮を健康な状態へ導き、美しい髪の毛を保つことができます。頭皮を清潔に保ち、保湿をすることで頭皮環境を整えることが大切です。また、毛細血管は加齢とともに次第に細くなり、水分と栄養分が不足し、毛母細胞の活性が弱まると太かった毛がだんだん細くなることがあります。血液循環を改善する頭皮マッサージや、バランスのよい食事を心がけるなどのセルフケアがすすめられます。その他、保湿作用や血行促進作用の入った市販の育毛剤などを使用するのも良いでしょう。ただし、育毛剤を使用したからといってただちに効果が現れるわけではありません。栄養バランスのとれた食事や十分な睡眠など日頃の生活習慣のなかに、育毛剤を適正使用しながら上手に取り入れて頭皮の健康を促し、髪の毛にも栄養を与えて守るように心がけましょう。

エイジング世代のための育毛ケア

〈話し手〉 植木 理恵 Rie Ueki(順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター 先任准教授)

「最近、抜け毛が増えた」「気づいたら髪が薄くなり頭皮が目立つようになった」など、髪の毛のトラブルに関する相談が40〜50代の女性を中心に増えています。原因は様々ですが、毎日の生活習慣やヘアケアに気を配ることで、薄毛・脱毛は改善できます。多くの女性の髪の毛に関する悩みに向き合っている皮膚科医の植木理恵先生に、女性の育毛ケアのヒントをお聞きしました。

女性に起こりやすい髪のトラブル

 女性の薄毛・脱毛の原因は、①女性の男性型脱毛症、②加齢変化による脱毛症、③休止期脱毛症の大きく3つに分けられます。しかし、女性は男性と異なり広範囲に薄くなる(びまん性)ことが多く、一見すると問題なく見えたり複数の要因が重なって起こったりするため原因を把握しにくいという特徴があります。

①女性の男性型脱毛症

 髪の毛をつくる細胞が男性ホルモンに対して高い感受性を持っている人に起こるもので、頭頂部を中心にO型、あるいは前頭部のM字に薄毛・脱毛がみられます。30歳台から薄毛が気になり始める方もいらっしゃいますが、多くの方は卵巣機能が正常な間は、女性ホルモンがほとんどを占めるため男性ホルモンの影響を受けにくく、閉経後女性ホルモンと男性ホルモンの比率が変化すると脱毛しやすくなります。ただし女性は男性に比べて圧倒的に男性ホルモンの量が少なく、男性のように頭頂部と前頭部がすっかり抜け落ちることはありません。

②加齢変化による脱毛症

 女性の髪の毛の加齢変化は、閉経前後で差がでてきます。閉経後はヘアサイクルの休止期の割合が増え、成長速度が少し緩やかになることで、毛が細くなります。個人差はありますが、閉経後の女性なら誰でも起こる現象です。

③休止期脱毛症

 正常では3~4ヵ月程度続く休止期が延長したり、休止期から成長期に戻らなかったりするために髪の毛が減少します。その原因として、鉄欠乏性貧血、栄養不足、出産後脱毛、甲状腺機能にかかわる疾患などがあげられます。この脱毛には、重大な疾患が隠れている可能性があるので見逃さないようにしましょう。

髪のセルフメディケーション

 身体が健康でないと健やかな髪の毛はつくられません。大事なのは食事、睡眠、運動、禁煙などの基本的な生活習慣と自身の肌質や髪質に合わせた頭皮ケア・ヘアケアです。

(1)生活習慣

①食事

 1日30品目を目標に、栄養をバランスよく摂ります。特に、たんぱく質、女性に不足しがちな鉄分、日本人に欠乏しがちな亜鉛を意識して摂るようにします(図1)。食品からの摂取が困難な場合は、サプリメントを利用しましょう。

②睡眠

 就寝・起床時間はできるだけ毎日同じ時間帯にして、リズムを大事にします。夜は副交感神経が働いて身体をリラックスさせて血流を促すため23時~2時の間、できれば24時までに眠るようにします。必要な睡眠時間は年齢により異なり、個人差はありますが40代までは7〜8時間、50代以降は6時間程度とるようにしましょう。

たんぱく質、鉄、亜鉛を含む食品

図1 たんぱく質、鉄、亜鉛を含む食品

(2)頭皮ケア・ヘアケア

①シャンプー

 シャンプーを過度に行うと、必要な油分が足りなくなり乾燥やかゆみの原因になることがあります。ぬるま湯でシャワーをするだけでも、表面の汚れは落ちますし、シャンプーは1日1回、もしくは2~3日に1回など自分の髪や頭皮の状態に合わせて行うことが大切です。
 シャンプー後、濡れたままの髪の毛を束ねると傷みやすく、また常在菌が繁殖して湿疹が出やすくなるため注意します。まずは、乾いたタオルで軽くたたくようにして髪の毛の水分をとります。ドライヤーは左右に振りながら、髪の毛から15~20cm以上離し根元から乾かしましょう。

②カラーリング、パーマ

 二種類を同時に、また髪の毛が乾燥しやすい方は連続して行わないようにします。髪色を明るくしたりパーマでボリューム感を出すことは、薄毛が目立たなくなるのでおしゃれな印象になります。

③紫外線

 浴びすぎると頭皮を傷め、脱毛につながります。帽子や日傘、日やけ止めスプレーなどで頭皮や髪の毛を紫外線から防御しましょう。一般的に秋に抜け毛が増える原因の一つに、夏場の紫外線の影響があげられます。

④血流促進と育毛剤

 髪の毛をつくる細胞は多くの血液、栄養を必要とします。血流を促すために頭皮に蒸しタオルをのせる、頭皮マッサージ、半身浴などがすすめられます。
 また、ほとんどの育毛剤は血流促進作用を持つ成分が含まれています。薄毛や脱毛が気になり始めたら育毛剤でケアすることも一つの手段です。使用感や香りなど自分に合った育毛剤を選ぶと続けやすくなります。
 髪の成長には時間がかかるため、育毛剤の効果を感じるのは、6ヵ月程度を要します。見た目で変化がなくても髪の毛に触れると「立ち上がってきた」「ふんわりしてきた」、あるいは「ツヤ、ハリが出てきた」と言われる方がいます。あせらず根気よく使い続けることをおすすめします。

アンチエイジングよりもウェルエイジング

 女性の薄毛や脱毛には重大な疾患が隠れていることがあります。1日に100本以上抜け毛があると病的と考えられているため、1ヵ月程度生活習慣の改善に取り組んでも変化がなければ皮膚科を受診してください。
 病的なものでなければ、髪の毛によい生活習慣をできるだけ取り入れて、育毛剤を使用して様子をみていただきたいと思います。本人が心配するほど周囲は気づいていません。アンチエイジングよりもウェルエイジングを考えて、お気に入りの洋服や明るい色のファッションでお出かけするなど普段の生活を楽しみ、自信を持って上を向きあなたらしくいることも大切です。

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