生薬マメ知識

様々なものを包む“朴葉”は風情あり!

“朴葉(ほおば)味噌” をご存知ですか?枯れた朴葉の上に味噌をのせ焼いて食べる岐阜・飛騨高山で有名な郷土料理ですが、そこで使われている朴葉はホオノキの葉です。朴葉は比較的火に強く、炙るとよい香りがする成分が含まれています。また朴葉には殺菌作用もあり、朴葉で包むとカビが生えないことから、飯や味噌などの食物を包むものとして古くから食器代わりに使用されていました。その証拠として、万葉集には僧恵行が「わが背子が捧げて持てるほほがしは※ あたかも似るか青き蓋(キヌガサ)」と詠み、これに対し大伴家持が応えた「すめろきの遠御代御代はい重(シ)き折り 酒(キ)飲みきといふぞこのほほがしは」という歌が載せられています。(※朴葉の古名)